魅惑の街-フィレンツェ
そんな素敵な街でしたが、日本ではあまりお目にかからないような事も多々ありました。それはフィレンツェだけではないけれど、例えば、列車が30分以上遅れるのは当たり前。こちらは予定通りの時間で駅へ出向くのに、予定の時間に列車は入ってきません。それどころか掲示板には堂々と45分遅延の表示。禁煙のはずが皆タバコを吸う。おじさまも、おばさまも、若い子も、みんな吸って吸って列車待ち。
そして人が溢れてきます。でもそんなのいつもの事、待つのは当たり前。とばかり誰も焦っていません。ホームの予告も数分前。日本では事故でもない限り考えられない事が日常で、フリーな旅行をしている身としては、逆に楽しい体験。
町全体が美術館といわれているフィレンツェ。電線には靴がぶら下がっていました。通行人や露店の人達の反応のなさを踏まえると、もしやこれも作品の1つなのかもしれない。なわけないか、とも思ったけど可能性は否めない。
美しい教会もたくさんあります。ここはサンタ・クローチェ聖堂。素晴らしい彫刻品が展示してあると眺めればミケランジェロのお墓だったりガリレオのお墓だったり。通路の床には、ところどころに大きなタイルや柄の入った装飾などがあり、そういうデザインなのかと思えばこれもお墓。床下収納のお墓の上を普通に歩くという行為もここでは普通です。
罪深き私は入るだけで厳かな気分にななれる場所を求め、許しを請いては生まれ変わったような気分になり、真っ白になった心で外に出れば雨で、また雨か!と嫌気をさせば傘売りが現れ、これは神のお導きか!でも傘は要らん!と雨がやむよう祈り、天を仰いでまわったフィレンツェ。3泊4日の滞在ではちっとも足らない。また必ず行こう。そう思わせる街でした。
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