長い夜

深夜2:30「娘がトイレでうめいてる」と息子に言われて目を覚ましました。急いで駆けつけるとトイレには鍵がかかっており、ドアの外から娘に声を掛けるも、苦しむ声しか聞こえてきません。数分間やりとりしてようやく分かったことは、おなかが痛い、でも何も出ない、吐き気がする、でも何も出ない、という事だけ。とにかくドアを開けなさい、ドンドンドン！鍵が開いたと同時に、中に踏み込みました。

そこには、激痛で顔は曲がり、小刻みに震えている娘がいました。聞いたこともないような声を出して便器に寄りかかっています。大丈夫？病院行く？立てれる？何を喋りかけてもまともに応えられず、もう救急車を呼ぶしかありません。

救急隊員は到着するなり、どこが痛みますか？下痢しましたか？吐きましたか？と質問を投げかけるものの、娘は背中を丸くしたまま床にひれ伏し、用意されたシートに横たわる事すら出来ません。次に救急隊員は私に質問してきました。夕食は何を食べましたか。いつからこの状態になっているのですか。生理は順調ですか。妊娠の可能性はありませんか。

はっ？妊娠？

冷静に考えてみれば、16歳女性に可能性もなくはない、聞くべき質問なのかもしれないけど、親としては過剰に反応してしまいます。救急車の中へ運ばれた娘は、えびぞりのような姿でお腹を押さえのた打ち回っています。救急隊が病院に搬送の電話をしました。状況と年齢を伝えると、ここには婦人科がないので、別の病院へ行ってくださいと断られました。え、、、16歳女性は婦人科なの・・・・？

ピーポーピーポー、血圧と熱を測りながら受け入れOKが出た病院へ急ぎます。熱は35.4℃で血圧は低めです。モニターに映る山あり谷ありの線は大きく波打ち、見ているだけでドキドキするのに、突然真っ直ぐになって消えてしまいました。ぎゃー！生きてるよね？大丈夫よね？背中をさすると呼吸はしている様子。もうビックリさせないでよ！ぶつけるところのない怒りと不安。

病院に到着し、状況を説明するとすぐ検査が始まりました。待合で過ごす長くて長すぎる時間は、余計なことばかり頭に浮かんできます。もうグッタリ。うとうとしかけた頃、先生に呼ばれました。検査結果の報告です。

血液検査は異常ありませんが、こちらのモニター画像を見てください。娘さんがこのような状態になっている原因は