SSS

それからも毎日のように

夜だったり朝だったり、鈴木さんの寝言は病室に響きます。

2週間たった頃、ついにスズキさんに寝言の話をするタイミングがやってきました。

毎日スズキさんの寝言が面白いです、楽しみになってます。と告白しました。

すると、

って笑っていましたが、私は楽しいので迷惑どころか毎日聞きたいわけです。メモってるぐらい楽しいのですよスズキさん！

そして翌日。

この日の朝はびっくりして鈴木さん見に行きました。

寝てました。

翌日は

数字バージョンもあるんか。

口が悪い日もあります。

いきなり笑う日もあります。

はい、私も鈴木さんもね。

もしかして喋りかけられてるのかな疑惑。

何か買ってあげたい。

毎日、スズキさんの寝言が楽しくてメモりました。記憶のトレーニングにもなるし、朝食会場でスズキさんに寝言の報告をしないといけないから。それでお互いが笑いあい、まわりの人も交えて楽しい朝食タイムになるのです。

 

ある日の朝、スズキさんが洗濯物がなくなったと看護師に言っていました。「昨日何着てた？」という看護師の質問に

って言っていました。

でも私にはわかります。

 

 

スズキさんはスヌーピーのTシャツを着ていました。なぜ写真があるのかというと、私はスズキさんが好きすぎて毎日隠し撮りをしていたからです。でもスズキさんはそれを知らない。だからスヌーピーのTシャツを着ていたことは教えられませんでした。

私が入院して１ヶ月。

スズキさんの退院が決まりました。

ご本人からそれを告げられた時、私は食堂で大泣きをしました。ワンワンウォンウォン泣きました。スズキさんは笑って、あんたは情が深い子だねぇって呆れていました。でも私はこの病院でスズキさんがいたからなんとか楽しくやってこれたんだし、スズキさんのおかげで周りの人とも仲良くできたんです。うわーん、悲しいよーう。

退院の日。一緒に写真を撮ってもらいました。はじめての堂々とした撮影。写真は現像してアルバムに入れておきます。私が辛く苦しかった入院中、何度も何度もうんうんと頷き話を聞いてくれたスズキさん。

いつまでもお元気で。でもまたどこかで会いたいなぁ。

 

 

スズキさん、あれからスズキさんの部屋には新しい人が入ってきましたよ。スズキさんみたいに寝言は言わないけど、明るくて楽しい人でイビキがうるさい人です。そして私、退院しました。残されるほうもつらいけど、去るほうも寂しい気持ちになるんですね。私、また泣いてしまいました。

スズキさん、スヌーピーのかわいいステッキ見つけました！これ、スズキさんに似合います。あープレゼントしたいよぉー。