大したことじゃない

いまだに行く先々で、元気になられて良かったです。心配していましたよ。もう大丈夫なんですか？と色々な方に声を掛けられます。それほど脳出血というのは大きな病気だったのだなーと感じるのですが、発症前と発症後、何か変わった事ありますか？と聞かれる事が多いので、私の変化をここに書いてみます。

先に答えをまとめると「毒が抜けたかのように性格が丸くなりました」

以前は子供たちにガミガミ口うるさく言うこともあったし、夫にも攻撃的になる事もしばしば。自分の思い通りにならないと気が済みませんでした。ところが今は、どうにもならないことだってあるよねぇ、とか、まぁいいじゃん、というように、大らかになった気がします。

例えばですね、退院して３か月ぶりに家に帰った日のこと。衣裳部屋の棚の上に娘の服が山盛りに置いてありました。

なんやこれー！

と、いつもなら棚の上からバッサーと服を落として激怒するはずなんですが、私は笑っていました。

しかし来る日も来る日もこの山は動かず、むしろ高くなっていくわけです。その光景を毎日見ていたら面白くなってきて

ねぇ、なんでこれ片付けないの？
下のもの取るの大変じゃないの？ʬʬʬʬʬʬʬʬ

無意識に積み木が好きなんじゃろうね。積み木が好きっていうよりは、モノを積み上げていくのが好きなんよ。まぁでもやっぱりさぁ、信用とか愛情も積み重ねていくもんじゃん。そういうことを常にできるように普段から習慣づけとるんよ。本当は邪魔だしね、片付けようとは思うんだけど、将来のために積み上げることを練習しとるんよ。まぁ習慣付けよ。

なにそれ、面白い。
今のメモっていい？
もう１回言って♥

だーかーらー
積み重ね！それが大事なの！

うきゃっきゃ
今日も娘はおもろいなー。

とまぁこんな風に、服の山が嫌なのは変わりないのですが、嫌だけどそれについてガミガミ怒るのではなく楽しめるようになりました。だってこんなの怒りまくるほどのことでもないんです。まぁキレイなほうがいいですけれど。

この服の山を５か月もの間ずっと見ていて、どうしたって片付けないその強い精神は何なの？と不思議になりますが、まぁ私にはあまり影響もないし、私の陣地には服置かないでね、ぐらいでイライラしません。最終的に落ち着くところは、娘は今日も生きている、なのです。

部屋が汚かろうが、服がぐっちゃぐちゃだろうが、そんなの大した問題ではない。なんでこういう風に思うようになったんだろう。脳の血管が切れて血液ドッパーって流れた時、私の悪い部分も流れていったのかな。だとしたら良かった。これで良かった。