0(ゼロ) 葬

essay
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父と弟のパウダー祭が近づいてきて、ふと「近所の高井さん」はどうしたのか気になり

私
高井さんの旦那さんのお墓は
どこにあるんですか?
お墓はないわよ
近所の高井さん
近所の高井さん
私
え、じゃあお骨は?
本人の希望で
焼いた後の骨は拾わないでって
近所の高井さん
近所の高井さん
私
えっ???
そんな事できるんですか?
拾わなかったら骨はどうなるんですか?
焼き場が処分してくれるのよ。
近所の高井さん
近所の高井さん
私
うそーーーー。
そんな選択肢があるなんて知らなかった!

 

高井さん夫婦は、自分達が亡くなった後の事をよく話し合っていました。葬式はしなくていい。お墓もいらない。ここまでは私も聞いていました。でも火葬場に骨をそのまま置いていくという決め事は聞いていなかった。というかそんな事が出来るのも知りませんでした。

葬式はいらない。骨もいらない。墓もいらない。

これは0葬と呼ばれているそうです。本を読んで初めて知ったのですが、東と西ではお骨を全部拾うか部分的に拾うか違いがあるんですね。東日本では遺骨を全て持ち帰る「全骨収骨」で骨壺は大きい。対して西日本は「部分収骨」で、頭蓋骨や喉仏といった体の中の代表する骨だけ拾います。

こちらでは遺骨を足から頭の順に拾い、最後に喉仏を納めるのが一般的です。生きている時と同じように、足が下になるように収めます。最後に「これが喉仏です」と言われ詰め終わります。が、本によると喉仏は軟骨なので燃えてしまうと書いてありました。喉仏だと説明されるのは「第二頸椎」との事。今迄喉仏でフィニッシュしていたのに事実と違うじゃないか!喉仏には仏の字が含まれているので死者の魂が宿っていると説明しておいて喉仏じゃないんかーい!葬儀に関わる一連の流れには、お金の匂いがプンプンしますね。

戒名やオプション料金が必要なものは要りません。墓石は不要ですので、□□□の樹木葬にて埋葬してください。

と書きましたが、修正しなければいけません。

私は樹木葬も不要です。

遺骨はそのまま火葬場に置いて帰ってください。

 

遺言の内容を訂正しないといけないけれど、ひとまず父と弟のパウダー祭に息子と嫁と孫と娘の前で発表しておこうと思います。私の意志はこうです。でも私はもう死んでいるので、皆さんのお好きなようにしてもらっても構いません。ただし、私の希望が一番みんなに負担がかからないし、一番簡単で一番リーズナブルだという事も説明しておこうと思います。

 

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